前回は、「防衛機制」とは何か、そして代表的な「抑圧」「否認」「投影」をご紹介しました。

そして今回は、「同一化」・「置換」・「反動形成」・「合理化」の4つをご説明してまいります。

今回も日常的な具体例を盛り込んで解説していくので、自分や身近な人の行動と照らし合わせて読み進めてみてください。

自分の行動パターンを見つめ直したり、身近な人の行動や気持ちを理解できて、優しくすることができるようになるかもしれません。

それでは、以下の順番でご説明してまいります。

1.「同一化」

「同一化」は、他人の持っている望ましい特徴や状況を、自分のことのように思い込む、というはたらきです。

全記事で紹介した、自分の欲求や感情を他人に転嫁する「投影」とは逆の「防衛機制」とも言えますね。

[具体例]

  • ファッションモデルの服装を真似る
  • 憧れの上司の口癖を真似る
  • 恋愛映画の主人公に自分を重ね合わせる

2.「置換」

「置換」は、衝動を別の対象、あるいは似たような対象に向けることを言います。

[具体例]

  • 子供に恵まれなかった夫婦や、恋人がいない人がペットを飼って可愛がる。
  • 上司に対する不満が募り募って、部下に八つ当たりをしてしまう。
  • 父親が嫌いになってしまった女子中学生が、学校の同年代の男性教師のことを嫌いになる。

3.「反動形成」

「反動形成」とは、自分の抑圧された欲求とは反対方向の態度を強調して示す、という心のはたらきです。ある欲求や感情が表に出ることで恥をかいたり批判されたりしないように、無意識に本心と正反対の行動をとるということです。

[具体例]

  • いわゆるツンデレ。好きな相手に、憎まれるような態度で接してしまう。
  • 家庭を持つ人など、好きになってはいけない人を好きになってしまい、無意識にその人を避けたり、悪口をいって遠ざけたりする。
  • 人が嫌がる仕事を進んでする。本人も内心したくないと思っているが、仕事ができると思われたい、あるいは失望させたくないといった気持ちから、かえってその仕事が好きであるかのように振る舞う。

4.「合理化」

「合理化」は、満たされなかった欲求に対して、都合のいい理由をつけて自分を正当化することです。

[具体例]

  • 就職試験で落とされてしまい、この会社には見る目がなかったのだと思う。
  • 交際していた異性に振られてしまい、「相手の欠点を考えるとあのままでは自分は幸せになれなかった」と考える。
  • 仕事を失敗したのは、難しい作業を自分に任せた上司が悪い、と解釈する。
  • ブドウを取ろうと何度もジャンプするが届かなかったキツネが、「あそこにあるブドウは酸っぱくて食べられたものじゃない」と納得した。(イソップ寓話)

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は代表的な「防衛機制」の分類として、

「同一化」「置換」「反動形成」「合理化」

の4つをご紹介しました。

このようにしてみると「防衛機制」を行うことは悪いこと、奇異なことのように思えますが、そういうわけではありません。

例えば、「合理化」で悪いことをポジティブに解釈することができる人は、あまりストレスを強く感じることなく生活できるでしょう。

また、「防衛機制」を理解することは、あなたの傾聴力を伸ばすことにもつながります

例えば、友人の悩みの相談にのっているとします。

友人がストレスを抱えている原因が「反動形成」、すなわち本当の欲求を抑えて反対の行動ばかりとっていることだ、と気づくことができれば、本人が本当にしたいことを気づかせてあげられるかもしれませんね。

今回紹介した「防衛機制」を知ることで、みなさんも人の悩みや不安をより理解できるようになるかもしれません。